こんにちは、みやこです。
突然ですが、みなさんはTOEFL iBT(以下、TOEFLと呼びます。ITPはもはやTOEFLではないので。)って知ってますか?
そうですね、あの令和の逆賊ことETSが主催する民間英語試験です。
たかが民間英語試験のくせにあたかも公益機関みたいな顔してる、あの悪名高きTOEFLですね。マークシート問題が大半のくせに受験料が245ドルもする、あのTOEFLです。
そんなTOEFLですが、東大では工学系を始めとして多くの大学院入試で必要となります。これは癒着だと思うんですよね。
一般的に工学系の院試では、TOEFLが70点以上は欲しいと言われています。
聞いた話では、「50で絶望、60で出願、70で妥協、80で安堵、90で乱舞、100で最強」みたいなレベル感らしいです。
とはいえ、我々のような怠惰な理系大学生は大学入試が終わってから特に英語をやっていない+TOEFL対策にそんなに時間をかけたくないというのが正直な気持ちだと思います。私もそうでしたし。
また、東大生の場合リーディングに関しては、多少なりとも大学入試のレガシーが残っていることも想像されます。
こうした事情を踏まえると、世の中にあふれているTOEFL対策記事にあるような、数か月あるいは年単位で英語の基礎力を上げながらスコアを上げる勉強方法はやってられないわけです。
そこで、本記事では院試のためのTOEFLに悩む多くの理系東大生がなんとか2週間で70点台・80点台を取るための戦略について、体験記の形で残しておくこととします。
この記事を書いている私自身は、先日TOEFLを受験してなんとか80点台のスコアを取れました。勉強期間は2週間で、始めた時点でのスコアは大体50点台くらいだったので、割と頑張ったのではないかと思います。
TOEFLテスト形式を把握しよう
TOEFLは4技能すべてからなる試験で、公開されている過去問などを見る限り、以下のような構成になっています。
あとで書くサイトで模試解きまくればわかると思いますが、その前に簡単に把握しておくと良いと思うので、簡潔に記述しておきます。
リーディング(18分×2)
東大入試の大問1つ分くらいの長さのパッセージを2つ読み、それぞれに10問ずつ小問がある。問題形式は、単語の意味を問う問題、パラグラフの大意を問う問題、文章の内容一致問題、内容要約問題がある。
リスニング(音声:2.5分×2+5分×3, 回答:6.5分+10分)
学生と大学の職員・教員との会話(2分半)を2つ、講義(5分)を3つ聞いて、そのあとに問いに答える形式である。音声は1度しか流れず、問題数も会話が5問ずつ、講義が6問ずつと多めなので、メモを取りながら聞く必要がある。問題の内容は基本的にメイントピックに関連したものが多く、そんなに細かいところは聞かれない印象。
スピーキング(大体2-3分×4)
4問から構成される。それぞれの問題の形式は毎回同じなので、テンプレート作って練習しまくれば、そこそこまでならなんとかなる。各問題の概要は以下の通り。
- 適当なトピックについて意見を言う問題。初めに主張を言って、理由を2つくらい言うことになると思う。
- キャンパス内の問題に関するニュース記事を読んだ後、それに関する学生の会話を聞いて、両者をまとめる問題。大体、学生のどちらかが記事の内容に賛成か反対かを表明して、理由を2つ言ってるのでそれを把握すれば良い。
- ある用語について説明する文章を読んだ後、それについて例をあげて説明する講義を聞いて、その例を用いながら用語を説明する問題。
- 講義を聞いて内容をまとめる問題。これも3つ目と同じで教授が例をあげるので、例を用いながら話す。
ライティング(20分+10分)
1問目は、ある主張をした後でそれを支える3つの理由を述べる文章が提示され、その後でその理由それぞれに反論するレクチャーが流れるので、両者の主張と理由をまとめる問題。2問目は、教授が投げた問いに対して学生2人がそれぞれ違った意見を言っている文章を読んで、それぞれの意見を踏まえながら教授の問いに対して自分の意見を展開する問題。
各セクションの得点目標
院試で十分とされている80点に目標を設定しましょう。
その場合、各セクションの目標点数は、
- Reading:22点
- Listening:20点
- Speaking:18点
- Writing:20点
くらいが妥当でしょう。理由としては、東大生はリーディングが得意でスピーキングが苦手なことが多いからです。実際、周りのスコアを見てもこんな感じの割合になるようです。
2週間でTOEFLを仕上げる勉強法
さて、ここまでの内容を踏まえて2週間という限られた時間で何をやるべきか逆算しましょう。先に結論を言うと、過去問と単語をやるというありふれた結論にはなります。ただ、ポイントとしては質より量をやること、単語の範囲を絞ること、スピーキングとライティングはある程度割り切ること、紙の教材を使わないことの4点になります。
使うもの
1つ目のサイトはTOEFLの過去問を50回以上無料で解けるサイトです。
使い方はこちらのnote記事がわかりやすかったですが、問題を解く際は「查看题目」ではなく、「在线做题」を選択してください。
基本的に毎日このサイトで、全ての問題形式を1問以上やってください。それがメインの勉強になります。
- 例えば、「练习」のOfficial54など1つの塊になっているものを通してやるのが理想です。基本的に「练习」の問題を新しいもの(番号が大きいものから)順に解いてください。
- 時間がないときは、ハーフテストとして次のようなセットを作ると半分くらいの時間で問題形式を網羅できます。
- リーディング(阅读)1問
- リスニング(听力)で会話形式(Con)と講義形式(Lec)を1問ずつ
- スピーキング(口语)全部
- ライティング(写作)Task1
- ライティングのTask2は旧形式のものなので、それをやる代わりに3つ目のAcademic Discussionの問題まとめサイトの問題をやってください。
TOEFLはなんだかんだで出題傾向に偏りがあるので、リーディングとリスニングは解きまくってたら内容が完全にはわかってなくても解けるようになってきます(これは私の体験ベースですが)。
ライティングとスピーキングについては、先述した通りで形式が毎回ほぼ同じなので、自分で使いやすいテンプレートを1日目の演習のあとで作ってください。2日目以降はそのテンプレートをつかいこなすための練習になります。
ネットに転がっているテンプレートをそのまま使うよりも、自分で使える表現でテンプレート作った方が絶対に良いと思います。
基本的にこの過去問解きまくりサイトをやれば良いと思うのですが、単語だけは別でやらないといけないので、mikanを1か月プラン(1200円)契約して、TOEFL英単語3800をやってください。本買うより安いですし、電車の中でポチポチやってください。
時間がないので、「Step2:80点までの英単語」までで良いです。リーディングで満点とか取りたいならStep3までやっても良いかもしれないですが、それやる暇あったら過去問回した方が良いと思うので。
テスト本番の話
TOEFLの申し込みは早め(1か月前くらい)にすることを強くおすすめします。
院試前の時期はすぐに埋まってしまうのと、会場によって、周りの声がうるさかったりするらしいので、良い会場を押さえた方が良いからです。
自分の体験と周りの友人からの証言を合わせると、御茶ノ水のソラシティがダントツで良い感じです。空いていればぜひ。
参考までに私が受験した後にメモった感想を載せておきます。
- ソラシティは優れている。思ったより人の声は気にならない。
- 1時間ちょい前に来ると各部屋の最初で入れる
- リスニングは集中が続かない
- イヤーマフがあるので、耳栓の上からイヤーマフをすると良い
- リーディング中に、周りから延々とマイクチェックのための「I live in Tokyo」の声が聞こえる。地獄過ぎる
- リーディングが終わったら、ボタンを押す前にイヤーマフを外してヘッドセットをするように。イヤーマフをヘッドセットと勘違いして最初の方を聞き逃すことになる(1敗)
- リスニングが終わったら、ボタンを押す前に係員を呼び出してメモ用紙を交換してもらうこと。ボタン押してからだと、全然来ないからスピーキング始まっちゃう(1敗)
- ライティングはスペルミスを見直した方が良い
- しんどい
最後に
以上です。
この記事が英弱理系東大生の役に立てば幸いです。
最後に感想としては、二度と受けたくないです。
ETSがTOEFLを値下げすることを祈っています。では。